職業と何々

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職業と相模原殺傷事件と都知事選 雇用太郎

 相模原の重度の障害者が多く暮らしている障害者福祉施設で19人もの方が殺害された悲しい事件が発生した。私は重度を含む 障害者の教育に携わってきた経験 があり、その経験をもとにして、亡くなった19人の命を無駄にしないために、今回の事件について述べていきたいと思う。

 今回の事件は、もとから危険な差別思想をもち、入れ墨を入れ、危険ドラッグや大麻も吸う稀にみる反社会的人間が起こした犯罪ということになっているが、 どうも腑に落ちない 。そういう若者が3年も重度の知的障害者や重複障害者の支援・教育・介護にかかわってこれるだろうか。そのたいへんさは、やった経験がある人にしかわからない。

 私は大学を卒業して神奈川県の小学校教員になった。希望に燃え、意欲に燃え、赴任日を迎えた。しかし、その日、私はいきなり校長から 「おまえは来年特殊学級(障害児学級だからな」 と何度も恫喝されたのである。私はよくわからず「はい、わかりました」と言った。学生時代に特に障害児教育を専攻していたわけではなかったが、普通教育も障害児教育も意欲に違いが生じることはなかった。

 1年目の普通学級は、最高の1年。そして2年目、特殊学級の担任になったが、とにかく 徹底的に他の教員から軽んじられ、疎外 された。同じ市で小学校の同期採用はふたりだけ。もう片方は両親ともに校長。市の教職員の対応はあまりにも違いすぎた。追い詰められた私はこのままでは自殺してしまうと思い、なりたくてしょうがなかった教員を20代で結局辞めることにしたのである。

 障害者教育に携わった人は、心を病む者が多く、中には自殺する者もいる、というのは当時から噂されていた。教員の間にはびこる偏見はすさまじく、障害児教育の担任が障害者と言われたり もしていた。教員という組織の意識は、まさにそういう状況だったのである。

 意欲をもち、懸命に頑張って障害者に向き合っている人がどんどん追い詰められる。しかし、誰も力になってくれない。弱者なのだが、自分で弱者とは言わないし、回りからも決してそういうふうに扱われない、そういう弱者なのである。

 私は2013年11月に電子出版で 「教師の亡霊」 という「社会派ホラー」と勝手に名付けた分野の本を書いた(今でもアマゾンのキンドルストアで一応売っている)。その表紙には、「教育委員会と校長会と組合を牛耳る権力への復讐劇」「組織もないくせに、と笑う一族を襲う」といったことはが踊っている。

 都知事選で小池百合子が圧勝した。個人で組織と闘う小池百合子に人々が熱狂した感がある。組織から追い詰められた経験がある人は特に熱心に街頭で、あるいは心の中で応援したのではないだろうか。

 今回の事件を受けて組織と闘った新知事に期待したいのは、知的障害者や重複障害者に光を、そしてそれに携わる方々に職業としてもっと光を当ててほしい、ということだ。スターになる人が出ることも重要だろう。「仕事ぶりがかっこいい」と思われる人がメディア登場する必要があるだろう。組織改革は、意識改革につながる。教育や福祉の分野でも「意識改革」「組織改革」が必要である。声の大きい方以外にもしっかりと目を向けていく ことが重要だろう。

 容疑者については、裁判所は死刑ではなく、無期懲役の判決を出してほしい。刑務所内での仕事で、障害者とずっと向き合ってほしい。暴力をふるうこともなくそれを立派にこなせば、50年後、76歳で出所してもよいのではないだろうか。

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2015年3月に設立されたNPO法人職業創造センター(http://syokusouzou.org/)です。連絡先は syokusouzou@gmail.com です。

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